ひとめぼれの窯元@唐津
2004年 05月 18日
「有田焼のような磁器は、鋳型に素地を流し込んで作るから、どれも均一な品質ができますよね。でも、唐津焼のような陶器は、ひとつひとつが手作りだから、味があります」
それではまるで
有田焼=大量生産
って聞こえるんだけど、まあ、それはともかく。
有田焼の透き通る白さと繊細さは、そればかり見てると確かに飽きもくるようで(なんせ毎週通ってたしな)、今度は土モノを見たくなり、唐津へ。
唐津駅前にあるアルピノは唐津焼の有名窯元を多く展示販売してあるので、唐津焼概観に便利。おりしも大ホールでは「茶碗&カップ展」をやっていて、作品数も多い。同じ唐津焼きとはいえ、作り手によって作風は異なるし、さて、どこの窯元に心惹かれるかなーと品定め。
で。
・・・なにこれ!?なんでこんなにキレイなの? どうしてもこの蔦シリーズのお茶碗が欲しい。これで毎日ごはんを食べたい!!
ってことで、そのままクルマを飛ばして、窯元へ。
その名も、「王天家窯」。読めない。なんどもふりがなを確認したよ、「おおあめやがま」。しかしその後も何度も間違えたよ。
写真では、いちばん左にあるのがアルピノでみた窯元の作品陳列棚。で、一目ぼれしたのが、いちばん右のもの。特にこの葉。薄桃色と抹茶色の微妙な変化と葉の繊細さ。こんな焼き物、見たことない。いったい、どうやって?きっとトップシークレットなんだろうなあ~・・・・・・・と思ったら、あっさり教えてくださった。
「和紙を貼り付けてその上から色をつけているんです。彫刻刃で形を作って」
くだんのお茶碗はちょうどいまたくさんあるという。ちょっと待ってて、と奥からいくつか出していただく。なんで同じ茶碗を数多く見せてくれるのだろう?と戸惑っていたら、理由が分かった。
「同じように作っているつもりでもね、土の成分、窯に並べられた位置、によって、ひとつひとつ違いますから」
比べてみると、歴然。お茶碗の色からしてまず違う。そして大きさまで。葉の部分の色の変化もひとつひとつ別のもののようだ。なるほど、これが「火」の面白さか。
たったひとつのお茶碗選びに長居をしてしまった申し訳なさ(小心者)と、ますます愛しくなってしまったこちらの窯元の作品に、ただいま製作中のお皿の予約をしてしまった。1枚8000円。ええ、我が家には最高価格の皿ですわ。1ヶ月か2ヶ月先だそうな。
最後に、意外だった土もの手入れのアドバイス@窯元直伝。
よく使い始めに米のとき汁で煮ろ、とかいうのは必要ないそうで。
家庭で煮てもせいぜい100度、もう1300度以上で焼いてるし、そもそも釉薬(ゆうやく)かけてるから、焼き物を締める意味はないとか。
「軽く洗って、使ってください。わたしもそうしてますし」だって。
有田・唐津など佐賀の焼き物バーチャル窯元探訪をしたくなったら、
「うまか陶」へいってらっしゃい。